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2020-08

悲哀の煌めき、再び。≪前編≫

「ラギアクルス亜種を狩猟し、ブラキディオスとリオレウス亜種も狩猟!
 まったく、ヴォルさんは、いったいどこまで成長するんですかぁー!」

「死ぬかと思ったよコノヤロー。」

「ほんと、ヴォルさんが新米だったころは、右も左も分からないペーペーで、
 私に甘えてばかりだったのに…。」

「…そうだっけ?」さすらいコック

「今となっては懐かしいですね~。 
 ほんと、しみじみ~。」

「今日のビストロ・モガも最高だね!
 アイシャ。」

……無視、ですか?

 場面はいつものカウンター。僕は丸太のスツールに腰かけて、さすらいコックの振る舞ってくれるビストロ・モガを堪能していた。今日のメニューはポポノタンの幻獣チーズ煮込み。口に含むとすぐにとろけてしまう触感のポポノタンに、濃厚な味わいの幻獣チーズがよく絡んでいる。
思わず、「暴れ撃ち」してしまう程の美味しさだ。
カウンターの向かいには、どっこいしょと腰掛けるアイシャも、いつものまかないメシを頬張っている。まかないと言ってもどう見ても同じメニューなのだが…まぁ、それはいいとして。
 どうにかこうにか乗り越えた、前回の狩猟依頼。
僕は舌鼓を撃ちながら…否、打ちながら。アイシャがギルドに吹き込んだという僕のウワサ(あること、ないこととやら)のせいで酷い目に遭ったのだと、彼女に文句を垂れていたのだった。
 当の本人はといえば、反省の色を見せるでもなく、いつも調子でしれっといる。本当なら、竜撃砲の一発でも浴びせてやりたいところなのだが、実は僕がその狩りに出かけている間…、アイシャは、僕のことを死ぬほど心配してたんだって、じぃちゃんがまたこっそり教えてくれた。テンションの高さはその裏返しか、なんて思うとなんだか許せてしまう。ホント、憎めない奴だ。

―しかし。
件の大連続狩猟「英雄の証明」の依頼人のことが、どうしても気にかかる。
僕は狩猟を終え、村に帰還してすぐに、アイシャに頼んで依頼人の事をギルドに問い合わせてもらった。だが、ギルドもその依頼人の素性までは把握しておらず、結局、詳細は解らず終まいだった。
 ギルドに寄せられる依頼の量は膨大で、当然、依頼の数だけ依頼人がいる。王侯貴族から辺境の村人、闇の要人から幼気な子供まで様々だ。中でも、諸事情で公にはできない依頼を、上位ハンターに依頼するのはままある話。だから予想はしていたし、不自然ということはない。
そう、ないのだが……。

 あの日、闘技場に飛び込んだ時、ある感覚に襲われた。
「確かに見た覚えがあるが、いつ、どこでのことか思い出せない。」人はそれを、デジャヴと呼ぶ。
あの時は無我夢中で忘れてしまっていたが、思い返してみるとそんな既視感に思い当たったのは、
夢で会った白装束の竜人だった。まさか夢の竜人が“彼”だったのだろうか…?
いや、考えすぎか。そんなことがあるはずはない。モンスターが亜人に化けて夢に出て、
果たし状を渡すなんてことが。僕は、我ながら面白い空想を描いたもんだと笑ってしまった。

「知ってますか? 思い出し笑いをしちゃう人はえっちなんですよ?ふふ。」

「幼気な少年の着替えをのぞき見する人に言われたくないなー?」

「ということで…。 ほいっ!モンスター討伐依頼到着ですっ!」

……無視、だね? まあ、いいか。次の依頼は…っと!?」

 アイシャはたくさんの“お弁当”を纏った笑顔で、僕の眼前に依頼書を突き付けた。
僕はしぶしぶ依頼書を受け取ると、記されていた狩猟対象のモンスターに目を奪われた。
依頼人は≪砂漠の街の長≫ロックラックのギルドマスターだった。

「アイシャ、この狩猟目標のモンスターは?」

「ふふっ。私の情報をご所望ですね! さあさあ、いったいどんな相手なのか?
 今や充実してしまった、いつもの資料によりますと…。
 “神域にすむ古龍”で、生態はまったくもって謎。………かな。」

「…情報って言えるのかソレ。」

「うむぅ…。 だってだってぇ、≪神域≫に住むモンスターですもん!
 謎に決まってるじゃないですか!」

「まあいいさ。 知ってるしね。」

「だったら聞かなきでください! あ、知ってるって、まさかロックラックで?」

 そう、僕は知っていた。
≪煌黒龍アルバトリオン≫は、僕がロックラックのソリスト時代に見えた(まみえた)古龍。
狩猟前に、ギルドマスターのじーさんから預かった王立図書の極秘資料には、こう記されていた―。

ロックラック

≪後編≫に続く-
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