2017-11

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砂煙の舞踏会・前篇

酒場

「僕はいつものココットミルクねー。
 食べ物は、今日のオススメでっ!」

「私はモヒートを。」

「…私は、遠慮しま」

「えっと、こちらのレディにはファジー・ネーブルをお願い。
 全部、ムスタさんのツケでね♪」

「では、遠慮なく頂きます。」

「ねぇさんさすが。」

いつもの酒場の、いつものテーブルを賑々しく囲んでいたのは、
ヴォルフ、ヴィエネッタ、リディアの三人。
受付嬢は彼らの注文を伝票に書き留め、末尾にはそこに姿のない“ムスタディオ”の名を記した。
いそいそとカウンター内に戻り注文を読み上げた頃、ヴォルフの肩を誰かがポンと叩いた。

「誰のツケだって?だれの!」

少々の怒気をもらすその台詞の主は、一人のギルドナイトだった。

「おや、お疲れさまー。
 ムスタさんはコニャックでいいよね?」

ムスタと呼ばれた赤衣のギルドナイトは、勘定の請求先にされたムスタディオその人だった。
彼は深々と被っていたハットを右手の親指で軽く押し上げると、
溜息をついて呆れた表情を覗かせた。

「あのなぁ、ヴォル。
 どーでもいいが、お前なんでそんなに酒に詳しいんだ?
 ガキのくせに…っ。」

「むふ。」

ムスタディオはハットを脱いでヴォルフの頭に被せるとヴィエネッタの隣の席に腰を下ろした。
気が付けばいつもの席順、いつもの配置。いつの間にかそのテーブルは彼らの指定席になっていた。
ヴォルフの小さな頭にすっぽりと被さったハット。
そのつば先をピンと弾き視界を取り戻すと、受付嬢が最初の注文の品を手に笑顔で立っていた。

「どーでもいいなら気にしない…っと。
 ありがとー。あ、こちらの紳士にはコニャックを。
 だいしきゅうー!」

「いらっしゃーい。はい、すぐお持ちしまーす!」

グラスを受け取ったヴォルフがそれぞれ注文主に配る。
次いで運ばれたホワイトレバーのソテー、女王エビとマイルドハーブのカクテルサラダ、
特産キノコキムチ、まるごと炎熟マンゴーなどがテーブルを彩った。

受付嬢を軽く急かして、全員分のグラスが揃ったところで杯を交わす。
一息つくとムスタディオが切り出した。

「まぁ、この仕事に付き合ってくれたら払ってやらんでもないぜ?」

ムスタディオは懐から筒状になった書面を取り出すと、
結わいてあった紐を解いてパン!と、軽くテーブルに叩き付けた。
それはクエストの依頼書。
ヴィエネッタは、ナンダンナンダと目を輝かせて依頼書を覗き込むが、
その内容に目を通して息を飲んだ。

「ごくり。」

依頼内容は、角竜ディアブロス2頭の討伐。
難しい依頼には違いないが、手練れのハンターが集えば不可能な依頼ではない。
しかし、ギルドナイトのムスタディオが持ち込む依頼となれば話は別。
ギルドが発行する通常のクエストとは異なり、王侯貴族たちの裏事情が絡んでいるのは
間違いないのだ。

「なるほど。依頼主はあの第3王女か・・・・・・。
 これはなかなか、難儀しそうだ。」

「だろう?なんでも王女は特別なキャンプを敷かせてご観覧だそうだ。
 言ってみりゃパーティの招待状だ。ま、オレたちは演者側だがな。」

自身の悦の為には金を惜しまないという悪名高い第3王女。
しかも、狩猟環境は「不安定」と悪い予感しかしない。
ヴォルフとムスタディオが難しそうな顔をつきあわせた。
と、その時…。
ドン!と、頬を真っ赤に染めたリディアがグラスでテーブルを叩いた。

「ひっく…。ごちそうさまっ♪」

いつの間にかグラスを空にしたリディアはそう言って立ち上がると、
ムスタディオの依頼書を取り上げてカウンターに向かった。
グラスを返却するついでかのように依頼書をギルドマスターの眼前に突き付け、
クエスト票の発行を促した。

「さァ、はりきって、いきましょぉー!」

「うは!誰だねぇさんに酒飲ませたのは!?
 ヴォル、お前だろう!?」

「…何が起こるかわからないから、準備は入念にしておかないとね~。」

「備えあればうれしいな…テヘ☆」

「コラ!オレの話を聴け…って!ねぇさん落ち着いて;」

その様子を黙って見ていたヴィエネッタは勢いよく立ち上がり、
腕を組み頷きながらこう言った。

「ねぇさんさすが。」


砂煙の舞踏会-前篇- 投稿者 VolfGuns

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